春のぼたもち・秋のおはぎ
「ぼたもち」と「おはぎ」は、お彼岸のお供えにはかかせないものです。両方とも、蒸したもち米とあんこの同じ素材で作られる食べ物ですが、季節の花になぞらえて、春の彼岸にお供えするのが牡丹餅で、秋にお供えする場合はお萩といいます。ですから、季節感も一緒に味わいながら牡丹餅やお萩をいただきましょう。
お彼岸とは?
お彼岸という言い方は「到彼岸」を略したものです。これはインドで使われている言葉の一つサンスクリット語の「パーラミター」(波羅蜜多)を訳した言葉で、文字通り彼岸へ到達するという意味です。彼岸とは悟りの世界を意味し、迷いや苦悩に満ちたこちら側の岸(此の岸)に対して、あちら側の岸(彼の岸)、つまり極楽浄土の事を指しているのです。では、どうしたら極楽浄土の岸へ渡れるのでしょうか?
仏教には六波羅蜜の教えというのがあります。
1、「布施」他人へ施しをする事。
2、「持戒」戒を守り、反省する事。
3、「忍辱」不平不満を言わず耐え忍ぶ事。
4、「精進」精進努力する事。
5、「禅定」心を安定させる事。
6、「智慧」真実を見る智慧を働かせる事。
こうした徳目は本来なら毎日心がけるべきなのですが、日頃は忙しくてなかなか実行できないのではないでしょうか。そこで、せめて春と秋、年に2回くらいは実践しようというのが、お彼岸法要の意味です。お彼岸には、ご先祖様のお参りし感謝と冥福を祈るとともに、六波羅蜜の教えを実行したいものです。
夕日を拝めば浄土を拝む?
お彼岸は年2回、春分の日と秋分の日を中心にして営まれますが、中日には太陽が真東から出て真西に沈みます。そこから、この日に夕陽を拝むという事は、西方にある浄土に向かって拝む事になると言われています。そこで中日に夕陽を拝むと特に功徳があると考えられているのです。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われているように、お彼岸が来ると最も過しやすい季節になります。きれいな夕陽が拝めるように中日が晴れるといいですね。
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