葬儀へ参列するときの持ち物は普段の持ち物とは大きく異なりますが、葬儀への参列が初めての場合だと「何を持って行けば良いのかわからない」と悩むこともあります。そこで当記事では葬儀に慣れていない方、持っておくべきものを知りたい方に向けて、①必需品、②あると便利なもの、を紹介します。
葬儀に必ず必要な持ち物
葬儀に参列する際に必ず持って行かなければならないものは次の通りです。
バッグ
財布
香典(こうでん)
袱紗(ふくさ)
数珠(じゅず)
ハンカチ
ただし、持ち物のジャンルだけを把握するのでは不十分です。具体的にどのような物を持って行くべきか、以下で詳しく説明していきます。
・バッグ
まず、バッグは必要です。ただし、普段使いするようなバッグではマナー違反となることがありますので、バッグ選びには注意が必要です。
そこで葬儀に持って行くバッグとして、以下の特徴のものを選びます。
ハンドバッグ
黒色
布製
光沢がない
金具が目立たない
黒色で装飾の目立たないシンプルな手提げ鞄を用意すれば基本的に問題ありません。逆に、派手な装飾があったりキラキラしていたりするバッグはマナー違反です。肩にかけるショルダーバッグや、背中に背負うリュックサックなども基本NGです。
男性の場合は、バッグを持たず必要最低限の所持品をポケットに入れて参列することも少なくありません。バッグを持つ場合には、先程挙げた特徴と同様のものを選ぶと良いですが、ハンドバッグでなくても、持ち手のないセカンドバッグやクラッチバッグなどでも構いません。ただし、大きめのトートバッグやビジネスバッグは避けましょう。
葬儀への参列が決まってから弔事用バッグを買いに行くのでは時間に余裕がないこともあるでしょう。必需品が用意できない、という事態を避けるため、事前に購入を済ませておくべきです。あるいは、レンタルするという選択肢もあります。弔事用バッグは使用頻度があまり高くないため、必要なときにレンタルすれば保管にも困りません。
・財布
葬儀では、後に紹介する香典以外で現金が必要になることはあまりありませんが、財布を持たずに外出するわけにはいかないでしょう。ただしこのとき「葬儀用のハンドバッグ等に入ること」の確認が必要です。
持って行くバッグは小型のものが多いため、長財布だとバッグに入らないことや、入ったとしても他に必要なものが入らなくなる可能性があります。そこで、普段長財布を使用している場合はコンパクトな小銭入れを用意しておくと良いでしょう。財布の中には最低限の現金とクレジットカードを入れておけば安心です。
・香典(こうでん)
葬儀には香典が必要です。香典は、故人の供養のためにお供えする現金のことです。また、葬儀で多くの出費が必要となるご遺族を経済的に助ける意味も持ち合わせています。
香典に関してはルールが細かくあるため、ご遺族に不快な思いをさせてしまわないよう細心の注意を払って用意しましょう。
香典のルールで押さえておきたいのは「新札がNG」ということです。新札を出すことで、不幸を予期していたと捉えられてしまう可能性があるためです。ただし、あまりにも汚れが目立ったものやしわの多いものもNGです。
汚れやしわの目立たない旧札か、新札しか用意できない場合は、折り目を付けることで対策する方法もあります。
香典の金額にも要注意です。故人との関係性や自身の年齢によって相場が異なりますが、偶数や「死」をイメージさせる「4」、「苦」をイメージさせる「9」などの数字は避けて用意します。
用意した香典は不祝儀袋に包みましょう。不祝儀袋は弔事の際に現金を包む封筒のことで、香典袋と呼ばれることもあります。不祝儀袋の表書きにはいくつか種類があり、宗教によって使用するものが異なりますが、宗教がわからない場合は、「御霊前」や「御香典」、「御香料」を使用するのが一般的です。
用意した不祝儀袋の表には自分の氏名と金額を記入します。このとき、一般的な黒色よりも薄い色の「薄墨」のペンを使用しましょう。用意した香典を不祝儀袋に包み、さらに下で紹介する袱紗に包んで葬儀へ持参します。
・袱紗(ふくさ)
不祝儀袋に入れた香典は、袱紗(ふくさ)に包んで葬儀に持って行きます。袱紗は弔事の際の香典や、慶事の際の祝儀を包む布のことです。
いろいろなカラーの袱紗がありますが、弔事に使用できるのは、黒色や灰色、紫色、藍色、緑色など、寒色系の袱紗です。反対に、赤色、朱色、桃色などの暖色系のものや柄のあるものは、慶事にしか使用できないので注意が必要です。紫色の袱紗であれば、弔事にも慶事にも使用できるためたいへん便利です。
・数珠(じゅず)
仏式の葬儀の場合に必要になるのが数珠(じゅず)です。数珠が必要になるのは仏式の葬儀のみで、神道やキリスト教の葬儀では必要ありません。
また、数珠には本連数珠と略式数珠がありますが、一般的に使用されるのは略式数珠の方です。略式数珠は本連数珠を簡略化したもので、宗派に関わらず使用することができます。
なお、数珠を参列者の間で貸し借りをする行為はマナー違反と考えられています。忘れてしまった場合は手を合わせるだけでも問題ありませんが、忘れることのないよう、葬儀用のバッグに入れて収納しておくと良いです。
・ハンカチ
ハンカチは、葬儀の参列に関わらず持ち歩く方も多いかもしれませんが、葬儀の際には特に忘れないようにしましょう。
持って行くハンカチは黒色か白色で、無地のものを用意します。派手な色や柄のハンカチは避けましょう。
お手洗いの際に使用したり、涙を拭いたり、汗をぬぐったりするときにも役立ちします。さらに、前述した袱紗を持って行くのを忘れてしまった場合にも役立ちます。袱紗の代わりに使うときは、ハンカチで香典を左開きになるように包みましょう。
葬儀で持っていると安心な持ち物
次に、必ずしも必要ではないものの、持っていると便利なものや必要に応じて用意しておきたいものを紹介します。
・予備のストッキング
これは女性のみになりますが、予備のストッキングを用意しておくと安心です。
喪服を着用する際には黒色のストッキングを履くのがマナーです。肌の色がうっすら透けるくらいの薄いストッキングになるため伝線しやすく、また伝線した際に目立ちやすくなります。
用意する際は、ストッキングを袋から出して小さくたたみ、バッグに入れておくと必要なときにすぐに使えて便利です。
・エプロン
家族や親族、親しい知人の葬儀の場合には、ご遺族のお手伝いをすることもあります。その際にはエプロンがあると役立ちます。喪服は自宅で洗濯できないものが多いため、お手伝いをする際に喪服が汚れる心配がありますが、エプロンがあればそのような心配も少なく済みます。
可能であれば白色や黒色で無地のものが望ましいですが、持っていない場合は模様や装飾があまりないものや派手過ぎないものを選びましょう。無地の割烹着でも良いでしょう。
・サブバッグ
バッグが必要なことは説明しましたが、紹介した弔事用のハンドバッグは小型のものが多く、必要な荷物が全て収まらないこともあります。
特に乳児や幼児と共に参列する場合には、おむつや着替えなど持って行くものが増えるため、ハンドバッグだけでは収まりきらない可能性が高くなります。
そのようなときには、サブバッグを用意します。 サブバッグの選び方としては、ハンドバッグと同様に、黒色で無地のシンプルなものが適しています。弔事用のサブバッグも販売されているため、購入しておくと良いでしょう。
葬儀は故人と最後のお別れを行うとても大切な場です。ご遺族にご迷惑のかからないように、また、ご遺族に不快な気持ちを与えてしまわないよう、マナーを守ってしっかりと用意しましょう。
葬儀への参列は突然決まることが多いですが、喪服や数珠の購入や現金の用意など、普段から準備しておくことができるものもあります。実際に参列する際に慌てないよう、準備できるものは準備しておき、忘れ物がないかしっかりと確認しておくと安心です。
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