当記事では「訃報」という言葉の意味、そして身近な親族が亡くなられた方に向けてそのやり方について解説しています。連絡手段や連絡方法、連絡のタイミング、文章など、参考にしていただければと思います。
「訃報」は人が亡くなったことのお知らせ
「訃報」とは、人が亡くなった際のお知らせを意味します。
訃報の「訃」が人の死を表しており、「報」は通知や知らせを表していますので、この2つの語を組み合わせた「訃報」は人の死に関わる通知という意味を持ちます。
なお、「とほう」あるいは「けいほう」などと間違えて読まれることもありますが、正しくは「ふほう」という読み方です。
訃報のやり方について
ご家族が亡くなった方など、訃報を行う側の目線から、その送り方を解説していきます。
まず重要なのは「できるだけ早く行う」ということです。その上で、相手方との関係性や状況に応じて適切な連絡手段を選択すること、簡潔にわかりやすく伝えることに留意しましょう。
以下で連絡手段、連絡内容、連絡をする人、連絡のタイミングについて詳しく説明していきます。
・連絡手段
まず訃報を行う手段についてですが、厳格なルールが決まっているわけではありません。
風習、文化などと照らし合わせてマナー違反と捉えられるような行為は避けた方が良いですが、伝え方について明確な間違いも正解もありません。
よくある手段としては次のものが挙げられます。
連絡手段 | 特徴 |
電話 | 電話の場合、もっともスピーディで、確実に連絡ができる。 ただし、こちらから電話をかけたタイミングで相手方が出られるとは限らない。 また、口頭で必要な情報を伝えることになるため、聞き取れない事態を避けるよう落ち着いて対応する必要がある。 |
メールやSNS | メールやSNSを使った連絡の場合、電話よりも手軽に連絡することができる。また、相手方に電話する時間を確保させる必要がなく、好きなタイミングでメッセージの内容を確認してもらえる。 ただしメッセージの内容を見てもらえたかどうかがわかりにくい。 |
はがき | はがきを使った連絡の場合、丁寧な印象を与えることができる。 ただし郵送されるまでに時間がかかってしまい、迅速に必要事項を伝えたい場面には適していない。 |
状況に合わせて最適な手段を選ぶことが大事です。時間がない状況で、手書きではがきを作成することにこだわるべきではありませんし、スマホを持っていない・デジタルに疎いという方に対してメール等で連絡をしてもすぐに確認してもらえない可能性があります。
1つの手段に限定する必要もありませんので、人によって使い分けることも検討しましょう。
・連絡内容
続いて訃報として知らせる内容についてです。こちらも具体的な項目が決められてはいませんが、訃報を行う目的を考え、その目的が果たされるために必要な情報を確実に伝えなくてはなりません。
連絡事項として次のような内容が挙げられます。
項目 | 内容 |
故人の氏名 | フルネームで記載し、「誰が亡くなったのか」が確実に伝わるようにする。 |
年齢 | 満年齢で記載する。 |
死因 | 必ずしも伝える必要はないが、死因やその経緯によっては弔電・参列時の挨拶をする側の対応が変わることもある。相手方への配慮の意味でも、伝えるかどうかを検討する。 |
死亡日時 | 亡くなった日付、時間を記載する。 |
通夜・葬儀・告別式の日程や場所 | 通夜や葬儀に関わるスケジュールは特に重要。時間や場所がしっかり伝えられていないと相手方を混乱させてしまう。訃報の時点ですべて決まっている必要はないが、その場合には後日お知らせする旨を伝えておくことが大事。 |
喪主の名前と連絡先 | 喪主が誰なのか、喪主と故人との関係、喪主の連絡先を記載する。 参列に関する質問、その他前もって知っておきたい事項があるかもしれないため、連絡先は明記しておくと良い。 |
宗教・宗派 | 宗教や宗派は葬儀の形式を判断するために重要な情報。 参列者の準備内容にも関わるため、特に宗派がある方には記載をしておく必要がある。形式が決まっていないときは無理に記載しなくて良い。また、宗派等に応じて注意すべきことがある場合、ここで伝えておくことが望ましい。 |
・訃報を伝える人
訃報は、まず「親族」「勤務先」「学校」などに対して行います。
広く参列をしてもらう葬儀の場合は友人・知人にも連絡を行いますが、家族・親族だけで執り行う家族葬においては、すぐの連絡はしません。家族葬で執り行う旨を伝えても参列につながるケースもあるためです。
そこで友人・知人に関しては葬儀の後で、家族葬で執り行ったことを連絡するケースが多いです。
・訃報のタイミング
訃報を流すタイミングは、人それぞれ分けても良いかもしれません。
葬儀の日程などを伝えるために複数回連絡することを避けるのであれば、詳細が決まってから行うべきです。しかし、家族・親族は亡くなったタイミングですぐに連絡されることを望んでいるかもしれません。また関係性が近ければ頻繁に連絡を取り合うことに支障はないでしょう。
逆に関係性がそこまで近くない方については、葬儀等の日付、時間、場所が決まったタイミングで行うと良いです。
訃報の例文
電話ではなくメール等の文章を使って訃報を行うときは、必要な情報に漏れがないこと、そして読みやすさに配慮しましょう。
例えば「急逝のお知らせ」あるいはもっとシンプルに「訃報」などと表題を付けます。
そして一番重要な情報として「〇〇(亡くなった方の名前)が逝去しました。」などと亡くなったという事実を確実に伝えましょう。必要に応じて死因についても言及します。
通夜や告別式についてのお知らせは、次のように、箇条書きにするなど見やすく整理した方が良いです。
1:日時
通夜 〇〇年〇月〇日 〇時~〇時
告別式 〇〇年〇月〇日 〇時~〇時
2:場所
〇〇(式場の名称)
住所 〇〇
電話 〇〇
3:葬儀は仏式にて執り行われます。
4:喪主
〇〇(故人との関係) 〇〇(喪主の氏名)
式場へのアクセスについても簡単に補足を入れておくと参列がスムーズになります。例えば式場に駐車場があるのかどうか、近隣に駐車場があるのか、駅からの距離、などの情報も添えておくと良いです。
なお、電話の場合は伝えるべき情報について、事前にメモへ記載しておくことをおすすめします。言い間違いや伝え漏れがあってはいけませんので、メール等で送る場合に伝えるべき上記の内容をメモしておき、それを見ながら丁寧に伝えていきましょう。
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